ヴィレッジ・オン・ザ・ヴィレッジ

2017812日(土) ~ 18日(金)
市民映画館シネ・ウインド (新潟)
※時間は調整中です

とても幸福な夢を見て目覚めた後に、残り香のなかで、あまりに甘い夢を見てしまったことの気恥ずかしさと、現実ではそのような幸福が自分に訪れることは決してないだろうという苦さを噛みしめる、そんな「夢」のような映画。
しかし現実とは何か。私は間違いなく夢の遊戯に参加した。目覚めるまでは夢こそ現実であり、だからその幸福は私の経験なのだ。私ではない人によって演じられ、私ではない人によって作られた夢だとしても。
古谷利裕/画家・評論家
『ヴィレッジ・オン・ザ・ヴィレッジ』。何度でも口に出して繰り返さずにはいられない最強の映画が届いた。『岸辺の旅』とこんなに近い時期に、最新の、完璧で、「絶妙な」幽霊がここでこんなふうに撮られていたとは! 恐ろしい。でも笑いがこみあげてくる。幸福な映画。緑の宝石のような映画。常温の夏の映画。優しくもなく、冷たくもない人物たちが昼からビールを飲む映画。顔がほころんでくる。画面から一瞬たりとも目が離せないのに。
田村千穂/『マリリン・モンローと原節子』著者
絢役の柴田千紘が8/6発売の『文學界9月号』Author’s Eyesというコーナーでコラムを書きました。タイトルは「夏の夜の夢」、この映画を元にしたささやかな物語です。